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LEARNING

経済学部だから学べること

レポート

  • 2017.07.24
  • REPORT

板倉範幸さん

「企業のリスクマネジメント」についての講演会を開催しました

近年、企業の不祥事が数多く起こっています。なぜ企業の不祥事は起こるのか、どのようにしてリスクを乗り切るのかを考えるために、経済学部3年生を対象に「企業のリスクマネジメント」についての講演会を2017年7月21日に開催しました。

 

講師は板倉範幸(認定NPO法人産業人OBネット理事)さんです。三菱重工(株)明石製作所技術部に入社され、新キャラピラー三菱(現キャタピラー・ジャパン)、西菱エンジニアリング(現MHI-NSN)で要職を務められ、リスクマネジメント協会のGRMIを取得されたリスクマネジメントの専門家です。

 

この講演では2000年に起こった対称的な2つの事件を取り上げてリスクマネジメントの重要性を話されました。牛乳による食中毒事件を起こした雪印乳業は、停電時の対応ミス、事故発生後の対応ミスにより、会社だけでなく消費者、従業員、販売店、取引先、株主などの利害関係者にも大きな被害を与えました。一方、目薬に苛性ソーダを入れたとする脅迫状を受け取った参天製薬はトップの毅然とした対応と迅速な対応で、リスクを適切に乗り切り高い評価を得ました。脅迫事実を公表し、店頭から250万点全品を回収し、20日後には異物混入を防ぐ対策をした製品を販売しました。

 

就職活動でも企業リスクを考えることは大事であると話されました。企業が不祥事を起こすのは利益追求のプレッシャーがあるためであること、リスクを考えてビジネスをする健全な企業はあっても安全な企業など存在しないこと、企業が潰れないのは何かの変革をしていること、リスクマネジメントの目的は会社を倒産させないことであると断言されました。最後に、リスクがあることが問題ではなく、リスクを管理しないことが問題であると、講演を締めくくられました。

 

リスクマネジメントの対象は、コンプライアンス(法令遵守)、個人情報保護、生産管理・製造・品質だけでなく、身の回りのすべてです。今回の講演は企業経営のあり方や身の回りのリスクについて考えるきっかけになりました。