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経済学部だから学べること

レポート

  • 2017.01.23
  • REPORT

佐野正さん

「職場で求められる人材育成」について講演会を開催しました

就職活動を間近にした3年生を対象にひょうごTTO代表の佐野正さんをお招きして、講演会「潜水艦技術への取り組み、産学・産官・産産連携、職場で求められる人材育成」を開催しました。

 

佐野さんは、川崎重工業で長年潜水艦事業に携わり、潜水艦設計部長、技師長を務められました。その後は新産業創造研究機構(NIRO)で技術移転部門長として、産学、産官、産産の連携に従事されました。現在は、ひょうごTTO代表を務め、技術支援のコーディネーターとして活躍されています。

 

佐野さんは、2016年3月に秀和システムから『潜水艦のメカニズム完全ガイド』を出版されました。設計や建造、検査技術などものづくりの現場を紹介しているだけでなく、艦内の乗組員の生活も説明している本です。

 

潜水艦を製造する技術者の著書としては、国内唯一です。安全保障上、潜水艦がなくなることはないこと、潜水艦は様々な技術(電池、鋼材、静粛化技術など)の集積であり、時代の技術進歩を取り入れて、日本で唯一潜水艦を製造する神戸は今後も日本の潜水艦技術を先導すると述べられました。

 

産学・産官・産産連携を支えるのがコーディネーターです。連携の成否はコーディネーターの能力にかなり依存しています。コーディネーターは、幅広い知識、経験、フットワーク、コミュニケーションなどが必要で、これに適した人が教育と経験を積んでいくことになります。佐野さんは、目利きのプロであるコーディネーターを自立した職業として確立することが重要であると強調されました。

 

佐野さんは、仕事では、全体をとりまとめるジェネラリストと特定の技術を深めるスペシャリストが必要であり、自分はどちらを目指すのかを考えなければならないと言われました。ジェネラリストとスペシャリストの区分は事務系と技術系に分けるものとは別です。職場で若手に求められる能力・スキルについて、次のように述べられました。基本はその職場で求められる専門能力です。これに加えて教養(歴史・文化・雑学)、コミュニケーション能力、フットワーク、IT技術、語学(特に英語)が必要です。特に若手はIT技術を職場で使えるようにしておくべきです。基礎的な知識に加えて、幅広い知見と教養、目と目を合わせた会話、フットワークが大事であると力説されました。