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経済学部だから学べること

レポート

  • 2023.07.11
  • REPORT

県議会の議論さながりに県議の皆さんから厳しくも温かい指摘をいただいた県庁サテライトゼミ

経済学部の関谷ゼミが兵庫県議会サテライトゼミを実施しました

経済学部の関谷次博教授の3年次生ゼミが7月7日、兵庫県庁3号館で県議会サテライトゼミを開きました。

県議会事務局長の「地方議会について」と題した講義を聴いた後、ゼミ生らは3グループに分かれ、県政の課題につながる社会問題について調べたことや自分たちの意見を発表し、県議会議員の皆さんと意見交換しました。県議会からは5会派の政務調査会の代表者など5人が参加し、5人の有志県議の傍聴もありました。

 

■ 1班「食品ロス削減と学生支援」
まず1班は「食品ロス削減と学生支援」のテーマで発表しました。食品ロスを削減する方法を探るため、「フードバンク関西」や「もったいない食品センター」の代表者を取材して、それぞれの事業の優れた点をまとめました。同センターと大阪府門真市が事業連携協定を締結し、食品ロス0、貧困0を目指していることを紹介しました。そのうえで、企業や学内の食品ロスを減らすために、残った食品を学生に安価に販売することや、残った食品を買うことでポイントがたまる仕組みの導入などのアイデアを披露しました。

 

県議の皆さんからは、「食品ロスの現状や門真市の先進的な取り組みは興味深いが、数字やデータの裏付けを示してもらえれば、さらに説得力があったのではないか」との指摘がありました。また、県も推進している「フードドライブ運動(家庭で余っている食品を必要とする福祉団体などにスーパーなどを通じて寄付する活動)」については「グループ、会社、小さなコミュニティーの中で完結する仕組みがあっても良いのでは」との意見もありました。

 

■ 2班「キャップの回収率を上げるには」
2班は、ペットボトルのキャップのリサイクル問題を取り上げ、「キャップの回収率を上げるには」のテーマで発表しました。株式会社木村の新浜工場を見学させてもらって、キャップを粉砕し、粉砕してプラスチックのリサイクルにつなげている過程を学びました。手作業での回収は人件費がかさむため、キャップの回収率を上げる方法を考えるため、どのような回収ボックスが効率よくキャップを集めることができるかを実験しました。回収箱の上面を透明にし、中にキャップを数個入れると画期的に回収率が上がりました。

 

県議の皆さんからは、「回収ボックスの条件を変えて実際に回収状況を調べたのは評価できるが、期間が異なるので天候や人の流れなどの条件が異なり、いちがいに比較できないのではないか」と、実験のやり方に改善の余地があるとの指摘がありました。また、「何の目的でキャップを集めているのかという説明を回収ボックスに表示すればもっと回収できたのではないか」との指摘もありました。

 

■ 3班「防災におけるスマホ活用~デジタルデバイドと高齢者」
3班は、「防災におけるスマホ活用~デジタルデバイドと高齢者」のテーマで発表しました。
災害時にスマホをあまり使わない高齢者がインターネット限定の情報を受け取れないという問題を解決するために、神戸市役所デジタル戦略部を訪問して、大学生が講師を務めるスマホ教室の開催や、地域イベントなどに参加して高齢者らにスマホの使い方を指導する「e-お助けキャラバン」の取り組みについて話を聞いたことを報告しました。最新のハザードマップを確認できるなどデジタルならではの防災上のメリットも分かり、携帯電話通信事業者のスタッフと大学生が講師を務める防災スマホ教室の開催を提言しました。

 

防災活動や災害時にスマホを活用する案には賛成する県議の皆さんが多く、「デジタルとアナログの両面での支援が必要ではないか」「防災スマホ教室は1回やってみて問題点を洗い出したらよいのでは」などの意見が出ました。「無償で協力してくれる大学生がどのくらい集まるでしょうか」と、教室を継続的に実施していくためには当然考慮すべき質問もありました。

  • 県議会の雰囲気も体験

  • 発表するゼミ生

  • 発表するゼミ生

  • 発表するゼミ生

  • 記念撮影する関谷ゼミ生